「甘え」と「病気」の境界線はどこ?日本人のうつ病診断率が低い「本当の理由」

メンタルヘルスの基礎知識
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「仕事に行きたくない…。これって甘えかな? みんな頑張ってるのに、私だけ弱音を吐いてる気がする。」

「その『自分を責める気持ち』こそが、実は病気のサインかもしれません。日本では多くの人が、うつ病であることに気づかないまま、一人で苦しんでいると言われています。」

「うつ病は心の風邪」という言葉をよく耳にするようになりましたが、それでもまだ「精神科に行くのはハードルが高い」と感じている人は少なくありません。

実は、日本の精神医療データには、ある不思議な「パラドックス(矛盾)」が存在します。 今回は、その矛盾から見えてくる「隠れうつ」のリスクと、見逃してはいけないサインについて解説します。

日本の「うつ病」は本当に少ないのか?

欧米諸国では、うつ病の有病率(人口に対する患者の割合)は20〜30%と言われています。 これに対し、日本は約10%と非常に低い数字が出ています 。

これだけ見ると「日本人はメンタルが強い」とか「日本はうつ病が少ない国だ」と思えるかもしれません。しかし、ここには大きな落とし穴があります。

診断率10%と、高い自殺率の矛盾

うつ病の診断されている人が少ないにもかかわらず、日本の自殺率は先進国の中でも高い水準にあります 。 これは何を意味しているのでしょうか?

専門家の間では、病院に行っていない(診断されていない)だけで、実際にはうつ病で苦しんでいる人が大量にいると考えられています。

なぜ日本人は病院に行かないのか?

なぜ、私たちは限界まで我慢してしまうのでしょうか。調査データから、日本人特有の心理が見えてきます。

「自分でなんとかできる」という思い込み

メンタルヘルスに不調を感じていながら医療機関を受診しなかった人に、その理由を聞いた調査があります。

  • 「医療機関を受診するほどではないと思った」:63.9%
  • 「自分で問題を解決したいと思った」:68.8%

この数字が示すのは、多くの人が「これは病気ではない、自分の努力不足だ」「気合で治せる」と判断し、適切なケアから遠ざかっている現状です。

「甘え」ではなく「症状」です。チェックリスト

うつ病などのメンタル不調は、脳のエネルギー切れ状態です。「やる気」の問題ではなく、脳の機能障害なのです。 もし、以下のサインに当てはまる場合、それはあなたの性格のせいではなく、SOSのサインかもしれません。

要注意なサイン
  • 好きなことが楽しめない:趣味やテレビを見ても面白くない。億劫に感じる。
  • 眠れない、または寝すぎる:夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めてしまう。
  • 食欲の変化:味がしない、何を食べても砂を噛んでいるようだ。または過食してしまう。
  • 自分を責める:「自分はダメな人間だ」「消えてしまいたい」と繰り返し考えてしまう。

まとめ:自分を守るために「降参」しよう

「自分でなんとかしなきゃ」と抱え込んでしまう責任感の強い人ほど、メンタル不調に陥りやすい傾向があります。

今日の記事で一番お伝えしたいことは、病院に行くことは、負けではないということです。 風邪を引いたら内科に行くように、心が痛んだらメンタルクリニックを頼る。それは、あなたがこれからも長く走り続けるための、賢い「メンテナンス」です。

「もしかして?」と思ったら、まずは専門機関の相談窓口や、心療内科のドアを叩いてみてください。

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