
「医師に入院を勧められました。でも、精神科の病院って一度入ると何年も出られないイメージがあって…。怖くて決断できません。」

「その不安、実はデータから見てもあながち間違いではないんです。日本は世界的に見ても、精神科の入院期間が異常に長い国として知られています。」
「入院=隔離」という古いイメージは変わりつつありますが、それでも日本の精神医療には独特な「癖」があります。 もしご自身やご家族が入院を検討することになった場合、「退院して地域に戻ること」を前提にしている病院かどうかを見極めることが、その後の人生を大きく左右します。
今回は、日本の精神科入院のリアルな数字と、賢い病院選びのポイントを解説します。
データで見る:日本だけが突出して「長い」
まずは、この衝撃的な数字をご覧ください。厚生労働省や関連機関の調査による、日本の病院における「平均在院日数(入院している期間の平均)」の比較です。
いかがでしょうか。一般の病気なら2週間程度で退院できるところが、精神科となると約9ヶ月(275日)近く入院している計算になります。 WHO(世界保健機関)などのデータと比較しても、日本のこの数字は世界で最も長い水準にあり、国際的にも「改善すべき課題」として長年指摘され続けています 。
<h2>なぜ、こんなに長くなるのか?</h2>
「日本の患者さんは重症だから?」と思われるかもしれませんが、理由はそれだけではありません。
「社会的入院」という問題
背景には、症状自体は落ち着いているのに、受け入れ先(帰る家や施設)がないために病院に居続けざるを得ない**「社会的入院」**の問題があります。 かつての日本は「精神科特例」として、医師や看護師の数を一般病院より少なく設定し、安価に長期間入院させる政策をとっていた歴史があり、その名残がまだ続いているのです。
「出られる病院」を選ぶために
しかし、現在は国の方針も「入院中心」から「地域生活中心」へと大きく舵を切っています 。 これから病院を選ぶ際は、以下のポイントを確認してください。
まとめ:入院は「ゴール」ではなく「通過点」
入院は、社会から切り離されることではありません。あくまで、疲れた脳と心を休め、再び地域で暮らすための準備期間(通過点)であるべきです。
もし入院を提案されたら、医師やソーシャルワーカーに「退院に向けた計画はどうなっていますか?」と質問してみてください。 その問いかけが、あなたや大切な人の「戻ってくる場所」を確保する第一歩になります。

